景色

 

妙な寝汗を

びっしりとかいて寝ていた。

 

リディたちに起こされて、お夜食をあげました。

明日は、お散歩に連れ出そう。

きょうは帰って、

「ほら*お散歩(おちゃんぽ)」と、

防寒服を着せようとしたら二頭とも逃げ回って、断念。

冬は寒いので行きたがらないことが多い。

 

去年春に会った頃は、

半分この世を離れてフワフワと漂うような

奇妙な感じのする父だった。

今は少し生きた人としての重さをとり戻したように見える。

 

「死んでしまえばいい」

と思っていた父なんだから・・・

今更なにを心配することもないと思われるのに、

父の死が怖くてたまらない。

 

こんな気持ちではもたないから、

心はいつか、どこかに落ちつくところを見出すのだろう。

 

 

広いガラス窓から遠くの景色の見える所で、お昼をたべながら、

「貝ちゃんが先に逝けばパパが見てあげられるけど」

「あとに一人残ったら、貝ちゃん可哀そうじゃな・・」

と、父が言った。

目のあたりなど祖母によく似てきたな・・と思う。

 

父は玉虫色の妖怪なので、

ほんとうの心は何処にあるのか謎ですが・・

そんなことも思っていたのか?と、

しみじみと父の顔を見た。

 

涙がこぼれそうだったので、

窓の外の景色を見た。

大きなガラス窓のある所はいい。

 

 

 

※ 電話でのお喋りでも食事でも、話す時間が積み重なってゆくとともに、父への憎しみは薄くなっているかもしれません。

いつかこの憎しみがほとんど透明に近くなればいいなと思います。