車椅子にのったリディとグレ

 

 

藤棚の公園に、

車椅子に乗ったお友達がいます。

あさこ様とおっしゃる八十八歳の女性です。

 

車椅子に座って、

公園のベンチのそばに 

ポツンとお一人でいらした。

 

わたしは初め、

何方も傍についていらっしゃらないことに、

(すっかり暗くなるまでお喋りしていて)

ここに連れてこられて、一人置いて行かれたのか?と

心を痛めたのですが、

そうではなかった。

 

お喋りをやめないし、あまりにも時間が遅くなって、

心配で・・・

わたしはとうとう

「一緒に帰りましょう」と言いました。

わたしが車椅子を押して、何処だかわからないお家まで送っていくつもりでした。

 

「一緒に歩いて帰ろう・・」と、

車椅子から降りて立ち上がった女性に、

 

ビックリ仰天!!

 

ホント ひっくり返りそうだった。

ご自身で車椅子を押して歩いてこられたのです。

すぐ近くのお家まで一緒に歩いて帰りました。

それが、5/24(木)のこと。

帰り、

『あんたここ(車椅子)に乗りなさい』

『わたしが送って行ってあげるから』

と仰るので 大笑い・・・*

「いえいえ・・いいです。ありがとうございます」と、

リディとグレと歩いて一緒にお家の前まで帰りました。

立派なお庭のある広いお家で、明かりのついた部屋を指して、

「わたしはここへ寝てるからね、あんた遊びに来なさい」

と、言ってくださった。

「わたしがここから見とってあげるから、帰りなさい」と、

あさこ様に門の前で見送られながら

リディとグレと帰りました。

 

6/9(土)にも、

藤棚の公園のベンチのそばに、車椅子に座っていらした。

リディはすぐにピョンと飛び乗って、抱かれています。

グレは前足だけ乗せたりしています。

そしてまた、

子供の頃の同じお話を聞きました。

お母様を小学校2年の時に亡くされて、

お父様は再婚なさらなかったそうで、

田んぼや梨の実の3回の袋掛けなど、よくお手伝いなさったそうです。

昔は梨の袋も新聞紙を糊で貼って手作りしていたそうですよ。

小学校2年生の時から毎朝6時には縁側を拭いていたと。

近くを芸備線が通っていたので、

毎朝ご挨拶代わりにポーッと汽笛を鳴らして下さっていたそうです。

 

前回、車椅子のそばに誰もいらっしゃらなくて、

真っ暗になっても何方もお迎えに来ないので、

ずい分心配したことをお話しすると、

「そりゃ心配かけて 悪かったね」とおっしゃいました。

そしてまた帰り、

「あんたここに犬を抱いて乗んなさい」とおっしゃる。

 

リディとグレを乗せてもらって、

あさこ様が車椅子を押して、

一緒に歩いて帰りました。

すっかり暗くなった公園の帰り道。

リディとグレは紺色の車椅子のクッションのきいた座席で、

首のピンクのライトをピカピカ光らせながら、

大人しく仲良く座っています。

それを、八十八歳のあさこ様が押している。

なんだか不思議な夢を見ているような・・・

お散歩のひと時でした。

 

 

生きていると

おもしろいことがありますね。

 

 

あさこ様には、天下取りの相(運命線)がある。

手のひらを見せてくださったのは、前回の、

父がこちらに遊びに来た5月24日の夕方のこと。

わたしの父の手のひらにも、

天下取りの運命線があります。