黒猫

 

 

いつもの公園の記念碑が立っているの石の上に、

少し毛の抜けた茶のかかった黒猫が首だけを起こしてゆったりと横たわっていました。

 

リディとグレはその猫の横たわった

立ち上がればとどく高さの石のすぐ下を通ったのですが、

黒猫は怒りもせず、逃げるでもなく、横たわったままです。

グレは何処かから漂ってくる猫の匂いにシッポを立ててキョロキョロするのですが、

猫がピクリとも動かないので気が付かないのです。

 

石のそばを通り過ぎて記念碑の裏側にまわってから、

おやつのQBBチーズを1センチ角ほど黒猫のそばの石の上に置いてみました。

「チーズをどうぞ*」というわたしを

黒猫は横たわったまま見ています。

 

しばらくしてチーズの置かれた石を通り越してこちらにきた黒猫は、

記念碑の陰に半分隠れるようにかたちよく座って、

芝生の匂いをかいでいるリディとグレやわたしを静かに見ていました。

その姿がなんとも愛らしいのです ♡

 

わたしは笑ってもう一度、

「チーズをどうぞ*」と声を掛けました。

黒猫はわたしの顔をみていました。

 

リディとグレはやっぱり猫に気が付かなくて、

「ママはチーズをくれないじゃないか」とキョロキョロ。

 

黒猫は少し目をはなしている間に

QBBチーズをたべたようでした。

なんだかわたしにはそれが とてもうれしかった・・・*

 

 

 北狐  2012年-18-野地美樹子

ピンタレスト画像から> 北狐 2012年 野地美樹子

 

 

 

わたしたちが石碑の段を降りてあたりを歩いている間も、

空がすっかり暗くなってきて公園をあとにする時にも、

黒猫はおなじ石の上にゆったりと横たわっていたのでした。