ウナギのスープ

 

 

「急いで、さあ早く、そこから掘り出すのよ、それから、まだ生きがいいうちに下ごしらえを済ませないと‥‥‥」

この季節、バターでとろとろにして、パセリの根で香りをつけたウナギのスープに勝る御馳走はありません。

 

 近所の人たちが、手に手に小ぶりな斧を持って駆けつけ、割れた氷のかけらが飛び散る先から一匹ずつウナギを取り出していきました。

「フランドルの四季暦/マリ・ゲヴェルス」 一月の氷 より 

 

 

マリ・ゲヴェルスのお住まいだった家の庭に、ウナギのたくさん獲れる池があったそうで、

一月の氷の張った池ではスケート靴をはいた親戚の子供たちが遊びます。

はしゃぎまわる子供たちに恐れをなして、

氷の下のウナギは池の縁の氷と泥の間に潜り込むのですが、

夜の寒気で氷が厚くなり、ウナギが半分凍って閉じ込められた。

それを子供たちが見つけたのです。

1928年から29年にかけて、厳しい寒波に見舞われた冬の出来事だそうです。

 

  

バターでとろとろのウナギのスープとは・・・!

こってりしているでしょうね。ウナギだけでもコテコテだものね・・

こんなヨーロッパのウナギ料理を召し上がったことがありますか?

わたしはおきまりの甘い醤油ダレのついたウナギや、お鮨屋さんの白く焼いたの(あれはアナゴかな?)しか食べたことがありませんから、

ちょっと想像するのがむつかしいのですが・・・

 

ヨーロッパではパセリの根っこをつかうのですね?

香りがいいのでしょう。

今度パセリが大きくなったら使ってみようと思います。

薔薇の鉢に蒔いた種のルッコラとスープセロリとパセリ。

ルッコラは育って、美味しくいただいているのですが・・

スープセロリとパセリは、ギザギザの小さな葉っぱが出てはいるものの、

なかなか大きく育ちません。

 

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このウナギの騒動にはつづきがあって、それがもう・・とてもおもしろいのです!

おとなしくひかえめな従妹のエリーズのお話(新聞紙にくるんで紐で結んだウナギをもらって帰る電車の中でウトウトしているうちに、温まったウナギが息を吹き返し包みの外にするりと抜け出したのです。エリーズは金切り声をあげて包みを放り出してしまいます。)

 

このあたりでは、

まるでセネシオ様の声が語っているように感じて、

自分でもそのことを不思議におもしろく思ったのでした。

きっとものの見方や切り口のようなものが、マリ・ゲヴェルスとそっくりなのだと思います。

25ページのうしろから8行目からセネシオ様の声になります。

ホントなんですから!「フランドルの四季暦」をご覧になってください。

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この本です ♡

 

電車の中では5、6人の乗客が一度に笑い出します。車掌も笑いますが、『落としたものを今すぐ全部拾いなさい』と言います。

その時一人の男性が立ち上がりました。

親切なアイルランド人の船長さんが、床で体をくねらせているたくさんのウナギをつかまえて新聞紙にくるんで、そのウナギを持って可愛いエリーズを家まで送り届けたのです。

エリーズは丁寧にお礼をいい、べとべとになった手を洗えるように家の中に招き入れます。

男性は急な来訪を詫び、身分を明かします。

引き留められた男性はウナギのスープをご馳走になり、

そのアイルランド人の船長とエリーズは結婚することになります。

なんというか・・のどかで愉快で、素敵な出会いですね*

 

 

港はあの圧倒的に豊かな都市、アントウェルペンの港なのでしょう。