翼が生えた半神

 

 

 

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 このあたりは緯度が高いわりに気候が穏やかです。

・・・・略・・・・

 

思いつくかぎりの恩恵はそのほとんどがメキシコ湾流に由来します。

  潮の差す河口から吹く風が暖かいからでしょう、

・・・・・略・・・・・

 

天象とは聞き慣れない言葉でしょうか。天翔ける星辰((せいしん)星座のこと。辰は天体のこと)や、流れ星や、雷だけを天象と呼ぶ習慣が、いつの間にか出来上がってしまいました。

でも本当は、大気中で起こるすべての現象を、この美しい名前で呼ぶことができるのです。雹も、霧も、あらゆる方位から吹きつける風の薔薇の花びらも、すべて天象ですし、霧氷も、霰も、雪解けも、虹や月の暈も、

それにまた七月の夜空に満ちた不安を一気に放出する、無音で暑熱のこもった遠雷も天象なのです。

そして夕暮れの空が赤く照り返すのも、夜明けの空に兆す緑の光も、同じく天象なのです。

 

 こうして本当の名前を、時々の空模様が命じるままにふるまう一方で、メキシコ湾流にも仕える、あの翼の生えた半神たちに返したら、

次は私たちの鈍った五感に本来の繊細な感覚を取り戻さなければなりません。そうすれば、天象をめぐるすべての楽しみに手が届くようになるのです。

 

「フランドルの四季暦/マリ・ゲヴェルス 宮林寛訳」

天象の楽しみ より

 

 

 

 

 

これは、

「天象」(空模様、天体の現象)の名を、

空模様が命じるままにふるまう一方でメキシコ湾流にも仕える「翼の生えた半神」に返したら、

次は私たちの本来の繊細な感覚を取り戻さなければならない・・

 

ということを書いているのだと思いますが、

ヨーロッパで「翼の生えた半神」というと、これはギリシア神話の神様(半神)のことでしょうか・・

具体的に思い浮かべるべき半神をご存知の方はいらっしゃいますか?

どうぞ教えてください。

 

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※ 追記

 

セネシオ様* 

ありがとうございました ♡

お忙しい中コメント欄にお書きくださって感謝いたします。

おつかれが出ませんようにくれぐれもお身体大切になさってください。

(お忙しいのは皆さん同じですね。ありがとうございました♡・・ベルギーに縁の深いセネシオ様のお言葉はわたしにとって特別でたいへんに貴重です*)

 

※ セネシオ様がお答えくださった内容です *

「翼の生えた半神」は「風」の比喩 なのだそうで、

メキシコ湾流とくれば「西風」と考える人がヨーロッパでは普通だそうですから、

ギリシア神話に登場する西風の神「ゼピュロス」

と考えるのが最も自然でしょうね・・・。

西風は偏西風のことでしょうか。

 

西風の神「ゼピュロス」を見つけました!

翼が生えた半神・・・♡

File:Sandro Botticelli - La nascita di Venere - Google Art Project - edited.jpg

ウィキペディアより> 

サンドロ・ボッティチェッリヴィーナスの誕生』 ウフィツィ美術館

 

ゼピュロスとその妻の一人である花と春の女神フローラ(左の男女)は共に口から風を吹き起こし、薔薇の花を宙に撒き散らしながら、

生まれたばかりの愛と美の女神 ウェヌス(ヴィーナス)を陸地に届けようとしている。

絹のローブをひろげて陸地で待っているのは、時の女神 ホーラ だそうです。

 

※ ギリシア神話の風の神たちは「アネモイ」と呼ばれ、あるときは一陣の突風として表現され、またあるときは翼を備えた人間として擬人化されるそうですから「半神」と考えてもよさそうです。

イジワルナなiirei様、ありがとうございます。

「半神」であるかどうかは大切なポイントですね・・♪

 

 

ギリシア神話 「セイレーン」

美しい歌声で航行中の人を惑わし遭難させる。

ウィキペディアより>

紀元前330年頃のセイレーン像 アテネ国立考古学博物館所蔵

 

 

 

ギリシア神話 「ヘルメース」

オリュンポス十二神の一人。多面的な性格を持つ神。幸運と富を司り、狡知に富み詐術に長けた計略の神。文化英雄としての面を有する。

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ウィキペディアより>

雄弁の神(ロギオス)としてのヘルメース像。紀元前1世紀後葉から紀元前2世紀前葉。大理石像

 

 

 

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本の裏表紙右下には小さな虫があしらわれていて

楽しくなります ♡

 

 

 

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本の背のタイトル下には 小さなカタツムリのシルエット。

 

 

挿絵とカバーの美しい植物画は

大野八生(おおのやよい)1969年千葉生まれ。

造園会社を退職後、イラストレーター・造園家として独立。

この女性の絵からは、作品「フランドルの四季暦」や著者への思いはもちろん、

植物たちへの愛情があふれるように伝わってきます。

 

 

ブックデザインは「岡本デザイン室」。

文中の挿絵の入り方ものびやかで・・・

紙の手触りもさらさらと心地よくて、

本のすべてがとても素敵だと思います。

 

ハンドクリームのついた手でさわると染みになりそうです*